自然と共生する公共トイレの革新的なリノベーション

海を望む公共スペースとして再生されたマカオのトイレ

このプロジェクトは、マカオのコロアネに位置する海岸沿いのトレイルにある公共トイレのリノベーションである。デザイナーのManuel Lap Yan LamとThe Volks Designチームは、内部のレイアウトを再編し、新たな機能要素を追加することで、公共トイレの機能を最適化するだけでなく、人々を自然に近づける新たな空間を創出した。

外装のリノベーションは、海岸沿いの岩からインスピレーションを得ている。海風により岩に鉱物が付着し、この地域特有の茶色と赤色の岩が形成される。新たに追加された機能要素は、その形状と色彩が岩と自然環境と調和するように設計されている。また、新たな特徴を形成するラインのリズムは、日光をフィルタリングし、光と影の動きを生み出す。

このプロジェクトの最大の特徴は、公共トイレを単なる機能的な場所から、海を眺める展望台、星を観察するバルコニーシート、休憩するロングベンチを備えた公共スペースへと変貌させたことだ。これにより、人々は自然を身近に感じながら、公共トイレを利用することができる。

このプロジェクトの最大の課題は、既存のコンクリート構造をそのままに、内部の空間レイアウトを再編し、新たな機能要素を追加することだった。マカオの典型的な公共トイレは、暗く、汚れていて、乱雑で、臭いがするという認識を覆すことが目標だった。

このプロジェクトは、2022年のA' Architecture, Building and Structure Design Awardでブロンズ賞を受賞している。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込み、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にする優れたデザインに授与される。

このように、「Ocean Vista」は公共トイレのリノベーションを通じて、人々と自然が共生する新たな公共スペースを創出した。その革新的なデザインは、公共トイレの新たな可能性を示している。